Volume02.2015 Number.01

ノルウェー人の海との繋がり 〜フリルフスリフ〜

レイネロフォーテン諸島で一番美しい町といわれるレイネ。険しい山々と美しく深みのある澄んだ海、カラフルでかわいらしい住居・コテージが、絶妙なコントラストを織り成している。町全体が急峻な岩肌の山々に囲まれており、その迫力を写真やキャンパスにおさめるために世界中から写真家・画家が訪れるそうだ。また、タラ漁をはじめ漁業が盛んな町であり、漁師小屋を改装したカフェやレストランも人気。船小屋を旅行者向けに提供している宿もあり、旅の合間に気軽に訪れたい。

ノルウェーを代表する雄大かつ優美な自然というと、フィヨルドやオーロラがその代表格に挙げられる。息をのむほど壮大な景色が眼前に広がり、いつでも私たちのことを受け入れてくれる。ノルウェーの人々には当たり前の光景かもしれないが、どこまでも深く広がる森の木々、畏怖の対象にさえ感じられる山々の険しさ、そして今回テーマに掲げる「海」からは、圧倒的な自然の力を感じる。
ここで一つ、「StyleNORWAY」読者の皆さんに知っておいていただきたいノルウェー独自の概念がある。それが「フリルフスリフ」だ。ノルウェーという国、そしてノルウェーに暮らす人々に深く根付き、受け継がれているフリルフスリフという考え方は、いかなるテーマにおいてもその根本に横たわっている。
フリルフスリフ(Friluftsliv)とは、<自然に囲まれてありのままに暮らす>という意味を持つノルウェー語だ。
日本人の私たちからするとピンとこないかもしれない。それもそのはず、日本語でも英語でも、そのものズバリでこれに置き換えられる言葉は存在しない。まさにノルウェー独自の概念である。
森、川、そして海で身体を動かし、自分という存在が自然の一部であることを再確認するライフスタイル。年に1度のまとまった休みにアウトドアを楽しむのではなく、日常生活に自然がそっと寄り添っている、そんな生活様式をフリルフスリフと呼ぶ。
多少強引にでも私たちの想像が及ぶところに言い換えるならば、“昔ながらの生活様式を忘れずに、日々の暮らしに活かしていく”と言えるかもしれない。便利な生活を追いかけ、自然と共に過ごす時間が減ってきていることに危機感を覚える人は、日本だけでなくノルウェーでも少なくない。フリルフスリフを再びノルウェーのライフスタイルに取り入れる動きが見えるのも当然か。
今回の「StyleNORWAY」の特集テーマは『ノルウェーと海』。フリルフスリフという考え方に触れた上で、水産物、船・ヨットが身近にあるノルウェーのライフスタイルを知り、まだ見ぬ新たな魅力を発見してもらえればうれしい。