Volume02.2015 Number.06

日本・ノルウェーのコラボレーション
サカモトハウス×キュッパ[サカモトハウス]

ノルウェー生まれの人気絵本「キュッパ」シリーズの作者オーシル・カンスタ・ヨンセンさんと、キュッパとのコラボレーション商品をリリースするサカモトハウスのデザイナー野口佳果さんとの対談が実現しました。
今回の来日は、今年7月に開催することが決まった「ノルウェーから東京・上野へ!キュッパのびじゅつかん──みつめて、あつめて、しらべて、ならべて」の開催準備のためです。
多忙なスケジュールの合間を縫って、ノルウェーの魅力やキュッパに込められた想い、絵を描くこと、デザインへの姿勢をお話しいただきました。

野口:お会いできて本当にうれしいです!今回キュッパとコラボレーションするにあたって、絵本はもちろんウェブサイトや動画、その他資料をいろいろと見させてもらったのですが、調べれば調べるほどキュッパの温かみや優しさ、思わず微笑んでしまうユーモアに惹かれました。「自分が楽しむことで人が喜ぶ。それを見てまた自分が楽しくなる」という、キュッパの明るいキャラクターに夢中になりましたよ!

オーシル:キュッパがノルウェーを飛び出し、海を越え、このように日本の皆さんに愛されるのは本当にうれしいことです。こうしたコラボレーションをきっかけとして野口さんがデザインしてくださることで、キュッパや仲間たちに“新しい生命”が与えられます。それはつまり新たな物語が生まれ、次の世代に受け継がれていくということ。自分の生み出したキャラクターが、遠く離れた場所で長きにわたって生きていくのはとても喜ばしいですね。

野口:先日仕事中にふっとひらめいたことがあるんですが聞いていただけますか?日本の和文化にまつわるいろいろなものの絵を描いていたときに、「キュッパと日本特有のプロダクトがコラボするのも面白いかも!」と思ったんです。いろいろなものを集めてくるのが好きなキュッパが、日本文化の象徴を集めて並べるのはいかがでしょう?

オーシル:面白いですね!実は私も前々から日本文化に興味があって、来日したときは扇や草履などを探して描いていたんです。実際に7月からの展示会では、とある日本文化を作中に登場させるつもりですよ。ヒントは……食事をするとき日本の食卓に置いてあるものです(笑)。

野口:それは楽しみです。やっぱり何か新しいものを見たり、面白いものを発見したときに絵を描きたくなりますよね。

オーシル:私も同じです。先日、上野の子ども向け図書館を訪れたとき、子どもたちの笑顔や元気に遊ぶ姿を目にして一気にイラストを描き上げました。その場に漂っていた“ワクワク”が、私の創作意欲をくすぐってくれたのだと思います。

野口:(オーシルさんの描いた、ダルマや埴輪、たいやきの絵を見ながら)こういった絵はさっと書き上げてしまうのですか?

オーシル:その対象物からインスピレーションを受けた後、静かなところで時間をかけて描くことが多いですね。リズムとテンションがうまくかみ合うとあまり時間をかけずに描けますが、うまくいかないときもあります。いまご覧になっているのは調子がいい日のものですね(笑)。思うように描けないときはフラストレーションを強く感じます。ただ、描くときの気持ちがそのまま絵に表されているからこそ描くことが好きですし、これからも気の向くままに描きたいと思っています。

野口:オーシルさんにお会いすることが決まったとき、なにかプレゼントを差し上げたいと思って自作のキュッパグッズや最近夢中のけん玉などをお渡ししたのですが、それだけでは会えるワクワクがおさまらず、気が付くと一気にオーシルさんの似顔絵のイラストなどを描いていました(笑)

オーシル:先ほど見せていただいた絵やプレゼントから、野口さんのハートの温かみが伝わってきました。相手が何を感じてものづくりに取り組むかを知るのは、クリエイターとしてとても大切なことだと思っています。

野口:今回キュッパとコラボレーションさせていただくバランスチェア「イージー」(今夏コラボカバー発売予定)は、姿勢のよさを通じて日本をハッピーにするというコンセプトを掲げていますが、オーシルさんはキュッパというキャラクターを通じてどのようなことを伝えたいと考えていらっしゃいますか?

オーシル:とても重要な質問ですね。正直に言って、キュッパを描いたときは誰かに何かを伝えたい、という意識は特にありませんでした。ただ描いて、描いて、できあがったものがキュッパの世界です。

野口:なるほど。

オーシル:私はもともと都市部に住んでいましたが、いまは自然から感じることを題材にした絵や物語を描いています。それはノルウェーという国が元来持っているフォルムを意識しているからです。もしかしたらあまり考えこまず、やりたいことや頭に浮かんだものをそのまま描くことが大切なのかもしれませんね。キュッパから私自身教わることがあるとすれば、思いついたときに即実行、まずは身体を動かして取り組むことです。

野口:背筋を正していい姿勢でいるといざというときスッと動き出せるように、キュッパのように自然体でいることで自ずと自分のよさが出てくるわけですね。キュッパと私たちサカモトハウスの温かなコラボレーションを、今後とも長く続けていきたいのでこれからもどうぞよろしくお願いします。本日はありがとうございました!