Volume02.2015 Number.11

ノルウェー関連の舞台、本、映画のご紹介 &あとがき[インフォメーション]

[THEATRE]アイロハシュ―太陽の息子

「アイロハシュ―太陽の息子」の主人公であるアイロハシュ(ニルス・アスラク・ヴァルケアペー)は、ノルウェーからロシアにかけて広がる北極圏地域の先住民族サーミの芸術と文化を、内外に広めたもっとも有名なアーティストの一人である。 自己不信に陥りつつも自己を追究し、芸術の喜びと名声の苦しみの両方を見出したアーティストの肖像を描く本作品は、一人の男性の運命を力強く、美しく、詩的に描くとともに、ラップランドに暮らすサーミの人々と彼らのアート、生き残りのための闘いについても伝える。※本作品はノルウェー国立サーミ劇場、フィンランド国立劇場、ルスカ・アンサンブルによる共同演劇プロジェクトです。
<あらすじ>
フィンランド極北の地、先住民族サーミの居住地に、繊細で夢見がちなトナカイ守りの少年が住んでいた。やがて地域に伝わる成人の儀式を迎えたとき、彼は若い雌のトナカイを刺し殺すことを拒む。男性的な通過儀礼を果たせなかったのは、彼が自然と深いつながりを持っていたからだった。ラップランドのツンドラを歩き回り、鳥たちと一緒に歌うのが好きだった彼の行動は、地元住民たちから冷ややかな目で見られた。しかし彼にはある使命があった。その使命を果たすため、彼は故郷を離れて世界へと飛び出す。地域の偏見と国の本流との狭間で、堅い決意を秘めた若者は、自身の民族文化の革新的なパイオニアへと成長していく……。

『アイロハシュ ― 太陽の息子 THE SON OF THE SUN』
期日:2015年7月24日(金)~26日(日)
会場:シアターX(東京・両国)
出演:ヤルコ・ラッティ/マーリ・サッレ/ティーナ・ヴェックストローム/アイロシュ
脚本:アリ・ペッカ・ラッティ
演出:アリ・ペッカ・ラッティ、 ハンナ・ブロテルス
◆問い合わせ
名取事務所:03-3428-8355
カンフェティチケットセンター:0120-240-540(平日10 :00~18:00)
カンフェティWEB予約:http://confetti-web.com/


[BOOK]Novel 11, Book 18(ノヴェル11, ブック18)

この企みは予測不可能──ノルウェー文学界で最も刺激的な作家ソールスター。巧妙なストーリーテリング、型破りな展開、オリジナリティ際だつその小説世界を、村上春樹が初めて日本に紹介する。
<この世で最も素晴らしい幸福とは短い幸福であるということが、ビョーン・ハンセンには心の底でわかっていた>※本文より
◆著者/ダーグ・ソールスター
1941年生まれ。65年、短篇小説集Spiraler(スパイラル)でデビュー。独自のスタイルを貫くチャレンジングな執筆姿勢が高く評価され、現代ノルウェー文学界における最重要作家の一人としての地位を確立している。11作目の長篇小説に当たる92年刊行の『EllevteRoman,BokAtten(Novel11,Book18)』でノルウェー文芸批評家賞を受賞したほか、69年と99年にも同賞を受賞している。その守備範囲は小説に留まらず、エッセイ、戯曲、サッカーのルポルタージュなど多岐にわたる。
◆訳者/村上春樹
1949年生まれ。日本を代表する小説家であると同時に、アメリカ文学の優れた読み手として、カポーティ、フィッツジェラルド、カーヴァー、オブライエン、ペイリー等の作品を手ずから翻訳し、精力的に紹介してきた。

『Novel 11, Book 18』(ノヴェル11, ブック18)
(ダーグ・ソールスター著 村上春樹訳 中央公論新社刊)


[THEATRE]海の夫人

「JAPAN MEETS……─現代劇の系譜をひもとく─」シリーズの第10弾として、ヘンリック・イプセンの『海の夫人』が新訳で上演される。シリーズ第1作、イプセン作『ヘッダ・ガーブレル』に続き、今回もアンネ・ランデ・ペータスと長島確によるノルウェー語からの新翻訳を、新国立劇場演劇芸術監督の宮田慶子が演出する。
自由を求め、海のような強い生命力を秘めた神秘的な主人公エリーダには、独特の存在感でますます輝きを放つ麻実れい。そしてエリーダを大きな存在で包み込む夫ヴァンゲル役には村田雄浩があたる。
<あらすじ>
北部ノルウェーのフィヨルドにのぞむ小さな町。灯台守の娘エリーダは、初老の医師ヴァンゲルと結婚し、先妻の二人の娘ボレッテとヒルデとともに穏やかに暮らしていた。
エリーダには、かつて結婚の約束を交わしていた船乗りの恋人がいた。恋人との関係が途絶え、生活が保証されたヴァンゲルの後妻となり愛される日々を過ごしてきたが、生まれたばかりの息子を亡くし、ここ数年は精神が不安定で空虚な生活を過ごしている。毎日海で泳いでばかりいるエリーダを近所の人々は、「海の夫人」と呼んでいた。
そんな中、突然かつての恋人が現れ、一緒にここを出ていこうと言われるエリーダ。自分の意志で結婚したわけでなく、ずっと自由へのあこがれを胸に秘めていたエリーダは、海と同じ引力を持つその男の登場で心揺れるが……。

『海の夫人』
期日:2015年5月13日(水)~31日(日)
会場:新国立劇場 小劇場(THE PIT)
出演:麻実れい、村田雄浩、大石継太、眞島秀和、橋本淳、横堀悦夫、太田緑ロランス、山崎薫
原 作:ヘンリック・イプセン
翻 訳:アンネ・ランデ・ペータス、長島確
演 出:宮田慶子
※その他の公演予定:2015年6月6日(土)兵庫県立芸術文化センター
新国立劇場ボックスオフィス:http://pia.jp/nntt/ 03-5352-9999


[MOVIE]キャノンレース

世界中の名車たちによる豪快なカースタントはもちろん、ユーモラスで感動的なヒューマンドラマが満載の『キャノンレース』。ノルウェー国内の公道で撮影された爆走バトルは、ハリウッドのカーアクション映画とは一線を画す迫力となっている。
レースに参戦する車は、フォード、マスタング、トヨタ、ポンティアック・トランザムなど、世界中の名車・高級車ばかり総勢26台。本国ノルウェーでは2014年年間興行ランキング第1位の大ヒットを記録した。すでに続編の製作も決定している。
<あらすじ>
速度違反120回、離婚歴2回。愛車のマスタングだけを生きがいにするロイは、自動車修理工場を経営するかたわら出場する地元サーキットの常勝チャンピオン。ある日、彼のもとに長年のライバルレーサーであるTTから勝負を持ちかけられる。レースの内容は、首都オスロをスタートし、ノルウェー最北端のノール岬を目指す、2,200km にも及ぶ前代未聞の長距離公道レース。勝負を受けて立つことにしたロイは、ひょんなことから今は離れて暮らす14 歳の娘ニーナとともにレースに参加することに……。

『キャノンレース』
※シネクイントほか全国順次公開中
監督:ハルヴァルド・ブレイン
出演:アンドレス・バースモ・クリスティアンセン、ヤニー・スカヴラン、スヴェーン・ノルディン
2014年/ノルウェー/原題:BORNING/シネマスコープ/カラー/93分/一般G/字幕翻訳:岡田壯平
配給:ブロードメディア・スタジオ
後援:ノルウェー王国大使館
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[MUSIC]JAGA JAZZIST(ジャガ・ジャジスト)

1994年にホーントヴェット兄弟を中心に結成された、ノルウェーが誇る異能音楽集団ジャガ・ジャジスト(ヤガ・ヤシストとも)。現代音楽からプログレッシヴ・ロック、ジャズやエレクトロニクス、ドラムンベース~ポスト・ロックまで、さまざまな音楽要素をダイナミックなバンド・アンサンブルでアウトプットする唯一無二の音楽スタイルは世界中で支持を集め、ここ日本でもフジロックから東京JAZZまで大型フェスティバルで多くのオーディエンスを魅了してきた。そんな彼らの結成20周年の集大成ともいえるアルバムが、6年ぶりにリリースされる『Starfire』だ。
本作はおそらく彼らの作品の中でもストレートな“ジャズ”からもっともかけ離れたものだろう。さまざまな音楽要素が渾然一体となり、彼らの身上であるエッジの効いた疾走感を生み出している。新たなピースを飲み込んでさらに巨大化した壮大なスケールと緻密な構造美、そしてそれを再生する圧倒的熱量を孕んだバンド・アンサンブルは、バンド史上破格の傑作と断言できるマスターピースへと昇華した。

『Starfire』(JAGA JAZZIST)
発売元:Beat Records / NINJA TUNE ※日本盤特典:ボーナス・トラック収録/解説付
BEAT RECORDS HP:http://www.beatink.com/Labels/Ninja-Tune/Jaga-Jazzist/BRC-473/
オフィシャルサイト:http://www.jagajazzist.com/
Twitter:@jagajazzist
Facebook:https://www.facebook.com/jagajazzist
Soundcloud:https://soundcloud.com/jagajazzist


いつでも身近に「海」がある
そんなノルウェーのライフスタイルをお届けします!

Takk for sist !
お待たせしました! 新創刊2号目となる『StyleNORWAY』をお届けすることができて本当にうれしく思います。前号の発行後、メールや手紙などで全国の方々から反響をいただきました。誌面の感想・コメント、プレゼント応募などを通じて、本誌そしてノルウェーという国に興味を持っていただき、スタッフ一同感激しています!
今号の特集テーマは「海」です。石油資源に恵まれ、造船業や海洋貿易によって発展してきたノルウェーにとって海は特別なものですし、ノルウェー北西部の港町オーレスン郊外に生まれ育った私にとって、海はまさに生活の一部といっても過言ではありませんでした。
街の中心部が海に囲まれ、知り合いの多くが海洋関連の仕事に就いていたこともあり、本誌の取材で訪れた江の島の光景に懐かしさを感じました。また、お話を伺った江の島ヨットクラブがジュニア育成に力を入れているのは、海に対するリスペクトと自然との触れ合いによる魅力を子供たちに感じてもらうためと伺い、自分の幼少期のことを思い出しました。そして同じく、今号の表紙を飾る『ピンチクリフ・グランプリ』も私にとっては大切な作品。私ごとで恐縮ですが、この夏に生まれる予定の我が子と、いずれ一緒に観たいですね。
ノルウェーで生まれ育った私が現在持っている子育ての知識は、ノルウェー流のやり方や考え方に基づいたものです。ただ、これからは日本の子育てや父親の役割などを意識しつつ、「自分だけの父親像」を確立させる必要があると考えています。そういう意味でも、ダイバーシティ-ページでお話を伺った“ノルウェー人イクメン”のヤンさんのお話は、とても印象深いものとなりました。
7月発行予定の次号のテーマは「自然・環境」です。地球の未来を守り、次世代の子供たちに安心・安全のバトンを渡すため、世界に先がけて自然問題や環境保全に取り組んでいるノルウェーのライフスタイルに触れていただければ幸いです。ノルウェー生まれのあのキャラクターにも会えるかもしれませんよ。お楽しみに!

ミカール・ルイス・ベルグ編集長

在日ノルウェー商工会議所
専務理事

1981年にノルウェーのオーレスン市出身。ノルウェー人と日本人のハーフです。フィヨルドと山に囲まれてノルウェーで育ち、26 歳のとき来日しました。1 年間上智大学で日本語を学ぶ予定だった私は、日本の魅力に惚れ、日本滞在8 年目です。 現在は在日ノルウェー商工会議所の専務理事としてノルウェーと日本・ノルウェー関連企業のビジネスをサポートさせていただいています。二つの母国を持つ私にとってこの職に就くことができて、幸せです。


    Staff

  • StyleNORWAY スタイルノルウェー
    Volume 02 2015

    発行人:在日ノルウェー商工会議所
    編集長:ミカール・ルイス・ベルグ
    編集制作:額賀剛治
    テキスト&校正:筒井健二
    デザイン:六車ひかり
    プロダクトマネージメント:株式会社シー・アール・エム
    協力:駐日ノルウェー王国大使館通商技術部

    在日ノルウェー商工会議所
    〒106-0047 東京都港区南麻布5-12-2/03-3440-9935
    www.nccj.or.jp