Volume03.2015 Number.10

ノルウェー関連の舞台、音楽、映画、本のご紹介&あとがき[インフォメーション]

[THEATRE]『ペール・ギュント』

「自分自身であるとは何か?」を常に問い続け、世界中を放浪する主人公ペール・ギュントを描いた本作品。<自分探し>という今日的な主題が高い評価を受け、1876年の初演から現在に至るまで名だたる演出家による斬新な上演が続けられています。
今回『ペール・ギュント』の演出にあたるのは、音楽を使った舞台作品演出に定評のある白井晃。近年、舞台俳優としてのキャリアを重ねている内博貴や、圧倒的な存在感と華やかさで観客を虜にする前田美波里といった魅力あふれるキャストが、皆さんをイプセンの世界へと誘います。
夢見がちな男ペール・ギュントは、純情な女ソールヴェイと恋に落ちるが、穢れのないソールヴェイにふさわしい自分自身を見つけることができるまで、彼女を待たせたまま放浪の旅に出る。砂漠から嵐の海まで世界各国を遍歴した後、老いて帰郷したペールは死神の使者である“ボタン職人”と出会ったことで、自分の人生の無意味さに気づいてしまう。疲れ果てたペールは、彼のことをずっと待っていたソールヴェイのもとに辿り着く……。

『ペール・ギュント』
2015年7月11日(土)〜20日(月・祝)
KAAT神奈川芸術劇場<ホール>
出演:内博貴、藤井美菜、加藤和樹、前田美波里 ほか
作:ヘンリック・イプセン/構成・演出:白井晃/翻訳・上演台本:谷賢一/音楽・演奏:スガダイロー/振付:小野寺修二/主催:KAAT神奈川芸術劇場/後援:ノルウェー王国大使館、J-WAVE
◆お問い合わせ
チケットかながわ 0570-015-415(10:00〜18:00)
公式ホームページ http://www.pg2015.jp


[THEATER]『人民の敵』

ヘンリック・イプセンによって1882年に書かれた戯曲『人民の敵』。日本ではそれほど上映の機会が多くないこの作品に、読売演劇大賞や芸術選奨新人賞を受賞するなど、演劇界でもっとも注目されている演出家 森新太郎が挑みます。
舞台はノルウェー南部のとある温泉町。湯治場の専属医であるトマス・ストックマンは、故郷の観光の目玉である温泉が廃液で汚染されているのを発見する。すぐに給水パイプを引きなおすように進言するが、市長の兄ペーテルはその訴えを聞き入れようとしない。自己の利益と野心に燃えるあらゆる階層の人々を巻き込んで、平和な町が大騒動に陥る。「絶対多数」が本当の正義なのか? 町民の生活を揺るがす「真実」をめぐって、ついに町をあげての集会が始まる……。

『人民の敵』(オフィスコットーネ プロデュース)
2015年8月21日(金)~9月2日(水) 吉祥寺シアター
出演:瀬川亮、山本亨、松永玲子、有薗芳記、加治将樹青山勝、塩野谷正幸、若松武史 ほか
作:ヘンリック・イプセン/翻訳:原千代海/構成・上演台本:フジノサツコ/演出:森新太郎/プロデューサー:綿貫凜/主催:(有)オフィスコットーネ/後援:ノルウェー王国大使館/提携:公益財団法人 武蔵野文化事業団
◆お問い合わせ
有限会社オフィス コットーネ 03-3411-4081
cottone@msh.biglobe.ne.jp
チケット専用予約フォーム
http://www5d.biglobe.ne.jp/~cottone/


[MOVIE]『バレエボーイズ』

北欧版『リトル・ダンサー』登場! ノルウェーの首都オスロで一流のバレエダンサーを目指す3人の少年たちの友情、葛藤、挫折、挑戦の4年間を追った青春ドキュメンタリー。今年2月に開催された北欧映画祭『トーキョーノーザンライツフェスティバル2015』でジャパンプレミア上映され、満席で立見が出るなど大きな反響を呼びました。
ノルウェーの首都オスロでプロのバレエダンサーを目指す3人の少年、ルーカス、トルゲール、シーヴェルト。男子は珍しいバレエの世界で、時にふざけ合いながらも厳しい練習に耐え、お互い切磋琢磨していた。そんなある日、ルーカス1人だけが名門ロンドン・ロイヤル・バレエスクールから招待を受けたことで、3人は人生の分岐点に立たされる……。

『バレエボーイズ』
2015年8月29日(土)より、ヒューマントラストシネマ有楽町、渋谷アップリンクほか全国順次公開
出演:ルーカス・ビヨルンボー・ブレンツロド、シーヴェルト・ロレンツ・ガルシア、トルゲール・ルンド ほか
監督:ケネス・エルヴェバック/配給・宣伝:アップリンク
2014年/ノルウェー/75分/カラー/原題:Ballettguttene
◆オフィシャルサイト
http://www.uplink.co.jp/balletboys
Twitter:
https://twitter.com/balletboys_jp
Facebook:
https://www.facebook.com/balletboys.jp


[MOVIE]『シャーリー&ヒンダウォール街を出禁になった2人』

92歳のシャーリーと86歳のヒンダが、「経済成長」についての答えを探す姿を描いたドキュメンタリー映画。自宅のPCで検索し、大学教授や経済アナリストに質問をぶつけるだけでなく、遂にはNYのウォール街まで飛び出していく2人をカメラが追います。監督はノルウェーでドキュメンタリー作品を数多く手がけてきたホバルト・ブストネス。歳をとってもまったく衰えないシャーリーとヒンダのエネルギーに圧倒されて撮影を決意、本作を作り上げました。
アメリカ・シアトルの片田舎に住むシャーリーとヒンダ。2人は30年来の大親友だ。お茶を飲みながら話す最近のネタは「経済成長って何?」ということ。ある日、経済問題について話すロバート・F・ケネディの演説をYouTubeで発見した2人はいてもたってもいられなくなり、大学生、大学教授、経済アナリストに質問をしまくる。バカにされ、門前払いをくらい、どこに行っても満足する答えを得られない2人はとうとう一大決心! 住み慣れたシアトルを飛び出して、世界経済の中心、ニューヨークのウォール街に乗り込んでいく!

『シャーリー&ヒンダ ウォール街を出禁になった2人』
2015年9月19日(土)より、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国順次公開
出演:シャーリー・モリソン、ヒンダ・キプニス/監督:ホバルト・ブストネス/配給:S・D・P Faction Film©2013
2013年/ノルウェー・デンマーク・イタリア/82分/カラー/原題:TWO RAGING GRANNIES
◆オフィシャルサイト
http://shirley-hinda.com


[MUSIC]“イランカラプテ”ミュージック・フェスティバル2015

北海道のアイヌ、オーストラリアのアボリジニ、そしてノルウェーのサーミなど、世界の先住民族の血を引くアーティストたちの歌や演奏が楽しめる「“イランカラプテ”ミュージック・フェスティバル」。先住民族が培った伝統音楽は現代に引き継がれ、発展をとげ、新たな音楽としてファンを増やしています。先住民の音楽と文化を紹介するこのイベントに、今年はノルウェーのサーミ人歌姫エーリン・コーヴェンが登場します。
エーリン・コーヴェン Elin Kåven
サーミのアーティスト、ダンサー。伝統的なヨイクに現代的なアレンジを加え、独特の世界を作り上げる稀有なアーティストとして人気を博し、2011年サーミ文化を世界に紹介する「サーミ・アーティスト・オブ・ザ・イヤー」に選ばれた。ヨーロッパでも注目され、そのユニークで印象的なステージとスタイルはケイト・ブッシュと比較されることも多く、イギリスでは「北極の妖精」とも呼ばれている。

■“イランカラプテ”ミュージック・フェスティバル2015
2015年7月30日(木) 開場17:30 開演18:30
サッポロミュージックテント(大通公園2丁目)
出演:エーリン・コーヴェン、YARWAH、OKI DUB AINU
BAND/MAREWREW
■“イランカラプテ”ミュージック・フェスティバル2015
「アイヌ&サーミ」サマーナイト・コンサート
2015年7月31日(金) 開場18:15 開演18:30
ばんけいの森 さっぽろばんけいスキー場センターロッヂ
出演:エーリン・コーヴェン、アイヌアートプロジェクト
主催:“イランカラプテ”ミュージック・フェスティバル実行委員会
特別協力:ノルウェー王国大使館
◆お問い合わせ
札幌国際プラザ 011-211-3676
http://www.plaza-sapporo.or.jp


[BOOK]シモン・ストランゲル最新刊

社会派ヤングアダルト作品で定評のあるノルウェー作家シモン・ストランゲルによる2作品が発刊されました。
既刊の作品と合わせてご紹介します。
著者/シモン・ストランゲル Simon Stranger
1976年オスロ生まれ。オスロ大学で哲学と宗教史を学んだ後、作家学校に1年通う。2003年、国際貿易により生まれる格差と貧困の問題を扱った大人向けの小説『この一連の出来事をぼくらは世界と呼んでいる』でデビュー。2006年、子ども向けの読み物『イェンガンゲル』でリクスモール協会児童書賞を受賞。2011年、『ドコカ行き難民ボート。』のアラビア語版翻訳書がIBBYオナーリストでパレスチナの最優良翻訳作品に選ばれる。現在はノルウェーの出版社に勤務しながら、精力的に作家活動を行なっている。

翻訳者/枇谷玲子氏のコメント
「このシリーズは、1年でもっとも優れたヤングアダルト作品に与えられるUprisenと北欧会議児童青少年文学賞にダブルノミネートされている作家シモン・ストランゲル氏の代表作です。 2013年に邦訳が出版された『このTシャツは児童労働で作られました。』では、資本主義社会における熾烈な価格競争の陰で、法外に安い賃金で働く子どもたちの姿が描かれていました。そして今回発刊される『ドコカ行き難民ボート。』では、アフリカからスペイン領のカナリア諸島へとボートで渡る難民の姿が、また最終巻の『地球から子どもたちが消える。』では、ボートで渡った先で難民を待ち受ける過酷な運命が描かれています。 このような内容の作品が、難民受け入れや児童労働などについて考えるきっかけとなればとてもうれしいです」

『ドコカ行き難民ボート。』(シモン・ストランゲル 著枇谷玲子訳 汐文社)
『地球から子どもたちが消える。』(シモン・ストランゲル著 枇谷玲子・朝田千惠訳 汐文社)
『このTシャツは児童労働で作られました。』(既刊)(シモン・ストランゲル著 枇谷玲子訳 汐文社)


ミカールの編集後記

Endelig sommer!
今号の『StyleNORWAY』のテーマは「環境」。ノルウェーが推進しているエネルギー、天然資源など環境に関する取り組みは、すべて次世代の子どもたちのために行っているものだと私は思っています。いまを生きる私たちが、子どもや孫たちに安心・安全のバトンを渡すことで、何世代にもわたり笑顔で暮らせる社会が作られるのではないか──そんなことを考えながら今号の制作を進めていました。
さてさて日本は夏本番! コートにマフラーを巻いているイメージが強いノルウェー人も、実は夏が大好きなんです! ノルウェーの夏休みは2カ月以上と長く、学生も会社員も皆同じ時期に休みをとるため、どの家族にも「夏の想い出」があります。 日本とノルウェーだと状況が違うよ……ですって? そんな方におすすめしたいのが今回大々的に取り上げさせてもらったキュッパの展覧会「キュッパのびじゅつかん」(東京都美術館)です。親子が一緒になって楽しめる“しかけ”がたくさん用意されているようですので、今年の夏はノルウェーに負けじと、家族そろってお出かけするのはいかがでしょうか?

ミカール・ルイス・ベルグ編集長

在日ノルウェー商工会議所
専務理事

1981年にノルウェーのオーレスン市出身。ノルウェー人と日本人のハーフです。フィヨルドと山に囲まれてノルウェーで育ち、26 歳のとき来日しました。1 年間上智大学で日本語を学ぶ予定だった私は、日本の魅力に惚れ、日本滞在8 年目です。 現在は在日ノルウェー商工会議所の専務理事としてノルウェーと日本・ノルウェー関連企業のビジネスをサポートさせていただいています。二つの母国を持つ私にとってこの職に就くことができて、幸せです。


    Staff

  • StyleNORWAY スタイルノルウェー
    Volume 03 2015

    発行人:在日ノルウェー商工会議所
    編集長:ミカール・ルイス・ベルグ
    エディトリアルディレクション・文:三宅桃子
    編集制作・文:筒井健二
    アートディレクション・デザイン:竹内康人(VENUE Inc.)
    プロダクトマネージメント:株式会社シー・アール・エム
    協力:駐日ノルウェー王国大使館通商技術部

    在日ノルウェー商工会議所
    〒106-0047
    東京都港区南麻布5-12-2
    03-3440-9935
    www.nccj.or.jp